クイーンズランド大学が提供するデータサイエンス・マスターコース

データサイエンスマスターコースのカリキュラムは大学ごとで少し異なります。海外の大学ではどんな内容を学べるのでしょう?

ワカメさん

この記事ではクイーンズランド大学が提供するデータサイエンスマスターコースの内容について紹介します。

この記事がカバーする内容
  • クイーンズランド大学はどんな大学か
  • クイーンズランド大学のデータサイエンスコースではどんなことが学べるか
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クイーンズランド大学

ヒトデちゃん

クイーンズランド大学ってどんな大学なんですか?

クイーンズランド大学(University of Queensland: UQ)は、世界ランクトップ50に位置付けられるオーストラリアの先端研究大学、かつ、教育大学です。また、オーストラリア大学トップ連合(Gropu of Eight)にも所属するオーストラリアの名門校です。(1)

53,000名近くの学生が在籍しており、そのうち、およそ19,000名が134ヶ国から留学してきています。

クイーンズランド州ブリスベンに位置し、データサイエンスはSt Luciaのキャンパスで学びます。緑豊かで広大なキャンパスには、数多くの野生動物が生息しており、「オーストラリアで最も美しいキャンパス」にも選ばれています。

Youtube: Welcome to UQ

気候は温暖、年間の300日以上が晴れの日と言われており、とても過ごしやすいです。また、ゴールドコーストには、車で1時間ほどでアクセスできます。

ワカメさん

羽田、成田−ブリスベンの直通便もあり、フライト時間は9時間ほどです。時差は1時間しかなく、夜に出発すれば、朝に到着します。

データサイエンスマスターコースの特徴

クイーンズランド大学は、高度な分析技術・スキルと特定産業における必要不可欠な知識を学ぶことのできるオーストラリアで最も包括的なデータサイエンスマスターコースを提供しています。(2)

また、直接、産業と連携し、学際的かつ実践的なデータサイエンスのスキルを身につける機会を提供する世界でも数少ないプログラムです。

入学条件

入学のタイミングは、Semester1(2月)とSemester2(8月)の年2回あります。

数理・統計、あるいは、コンピュータサイエンス、あるいは、これらに関連する学部を卒業していることが必要です。GPAは7段階スケールで5.0以上であることが求められます。

ワカメさん

関連する学部の定義は幅広く、工学部、経済学部などの出身の方も広く受け入れられています。

また、英語力証明として、IELTS、TOEFULなどの以下の条件を満たしたスコアも必要になります。

IELTS: Overall 6.5以上 (R・L・W・Sが6.0以上)

TOEFUL-iBT: Overall 87以上 (R・L・Sは19以上 Wは21以上)

ワカメさん

世界的に高く評価されている大学に入学しやすいのは、オーストラリアの特徴でもあります。

卒業条件

提供されるコースから2年で32Unitを取得すれば卒業です。ここでは、コースは「科目」を意味します。すでにITと数理・統計の必要スキルを取得、あるいは関連学部を卒業している方は、1.5年で24Unit取得で卒業することも可能です。

提供されているコース

基礎から応用まで幅広いコースが準備されており、選択できます。自身の希望に合わせ、様々な領域のコースをPart Cから選択できるのも魅力的な点です。

Capstone Projectは企業提携とアカデミック提携の2タイプのプロジェクトがあり、企業面接も行われます。採用された場合、奨学金を支給する企業もあります。

クイーンズランド大学のデータサイエンスマスターコースは以下のコースから構成されています。(3)

Part A(14 – 16Unitを取得)

UnitCourse Title
2Introduction to Data Science
2Responsible Data Science
2Data Analytics at Scale
2Statistical Methods for Data Science
2Data Science Capstone Project 1
4Data Science Capstone Project 2
2Data Science Capstone Projects 2B
2Machine Learning for Data Scientists

Part B1(最大10Unitを取得)

UnitCourse Title
2Introduction to Software Engineering
2Database Principles
2Advanced Database Systems
2Mathematics for Data Science 1
2Mathematics for Data Science 2
2Probability Models & Data Analytics

Part B2(少なくとも4Unitを取得)

UnitCourse Title
2Data Mining
2Advanced Techniques for High Dimensional Data
2Information Retrieval and Web Search
2Social Media Analytics
2Numerical Linear Algebra & Optimisation
2Further Topics in Operations Research
2Operations Research & Mathematical Planning
2Statistical Learning

Part C(選択)

UnitCourse Title
2Accounting
2Bioinformatics1: Introduction
2Bioinformatics2: Development & Research
2Introduction to Protein & Numeric Acids
2Advanced Genom Information
2Artificial Intelligence
2Pattern Recognition and Analysis
2Digital Health Software Project
2Advanced Algorithm & Data Structures
2Algorithms & Data Structures
2Numerical Methods in Computational Science
2High-Performance Computing
2Design Thinking
2Elements of Econometrics
2Applied Econometrics for Macroeconomics and Finance
2Financial Econometrics
2Finance
2Portfolio Management
2Financial Mathematics
2Computation in Financial Mathematics
2Financial Calculus
2Fundamentals of Marketing
2Consumer & Buyer Behaviour
2Market & Consumer Research
2Introduction to Epidemiology
2Mathematical Statistics
2Probability Models & Stochastic Processes
2Statistical Analysis of Genetic Data
2Advanced Statistics Ⅱ
2Advanced Probability & Stochastic Processes Ⅰ
2Advanced Probability & Stochastic Processes Ⅱ
2Longitudinal & Correlated Data
ヒトデちゃん

Part Cのコースは本当に多いですね。どれを選ぼうか悩みそう…

学習プランの設計

1semesterにつき4つまでのコースを選択するよう推奨されています。コースごとで多少異なりますが、ひとつのコースは、週に3時間の講義、1時間の実技、1時間のチュートリアルが含まれています。

バックグラウンドが様々な学生が入学してきますので、コースの選択は人それぞれです。以下はオススメされる学習プランです。参考までに、Semester1に入学する学生を例にします。

Case 1: 数理・統計のバックグラウンドを所持

Sem1Sem2Sem1Sem2
Introduction to Data ScienceResponsive Data ScienceCapstone 1Capstone 2
Introduction to Software EngineeringProbability Models & Data AnalyticsData Analytics at ScaleMachine learning
Database PrincipleMathematics for Data Science 2Statistical methods for Data SciencePart B2 or Part C
Part B2 or Part CAdvanced Database SystemsPart B2 or Part C

Case 2: ITのバックグラウンドを所持

Sem1Sem2Sem1Sem2
Introduction to Data ScienceResponsive Data ScienceCapstone 1Capstone 2
Mathematics for Data Science 1Probability Models & Data AnalyticsData Analytics at ScaleMachine learning
Part B2 or Part CMathematics for Data Science 2Statistical methods for Data SciencePart B2 or Part C
Part B2 or Part CAdvanced Database SystemsPart B2 or Part C

Case 3: 両方のバックグラウンドを所持

Sem1Sem2Sem1
Introduction to Data ScienceCapstone 1Capstone 2
Statistical Method for Data ScienceResponsive Data ScienceMachine Learning
Data Analytics at ScalePart B2 or Part CPart B2 or Part C
Statistical Method for Data SciencePart B2 or Part C
ワカメさん

選ぶ権利は学生にあり、あくまで参考程度です。余談ですが、海外の学生はアレンジしまくっている方が多く、推奨はほぼ無視です。国民性の違いを感じられて面白かったです。

学費

コースごとに授業料が設定されているため、実際の学費は学生ごとで異なります。参考までに、年間AUD 45,120が学費として必要です。学費は年々、上昇傾向にあります。

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大学でデータサイエンスを学ぶメリット

こんなにも高い学費を払う意味はあるのか?そう考える方も多いでしょう。

わたしが考える大学で学ぶメリットは、「学位の取得」と「ネットワークの形成」の2点です。

アカデミックでデータサイエンスを学ぶことは、データサイエンティストとして応用面を考えるうえで大事な知識となります。学問としての知識は、実際のデータサイエンスの仕事で必ず役立ちます。

また、最近、学歴を重視しない社会が話題になっているとは言え、実際の就職ではデータサイエンスに関連する修士・博士をどんな成績、業績を残して卒業したかが問われます。学位を取得していれば、仕事を得る機会も増えます。

大学には数多くの他分野の専門家も在籍しています。大学のイベントなどをうまく活用することで、新しいネットワークを形成できます。これらのネットワークは将来の仕事にも役立ちます。

ヒトデちゃん

ちょっとイメージできたら、UQのデータサイエンスコースも楽しそうだなと思えてきました!ありがとうございます!

まとめ

いかがでしょう。大学で学ぶデータサイエンスがどんな雰囲気か少しイメージできたでしょうか?

以下に本記事の内容をまとめます。

大学で学ぶデータサイエンス
  • クイーンズランド大学(UQ)はGroup of Eightに所属するオーストラリアの名門校
  • 条件さえクリアすれば、オーストラリアの大学への入学はしやすい
  • UQはオーストラリアで幅広く学ぶことができる最も包括的なプログラムを提供
  • 2年で32Unit(1.5年で24Unit)取得すれば卒業
  • 大学で学ぶメリットは「学位の取得」と「ネットワークの形成」
  • デメリットは「学費の高さ」
ワカメさん

入学した後の勉強は大変ですが、密度の濃い大学生活になるのは間違いないです!少しでもみなさまの今後の決断のお役に立てれば幸いです。

参考

(1) The University of Queensland – University Profile

(2) Master of Data Science – UQ

(3) Master of Data Science at UQ – Course List

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ワカメ
Data Scientist, Master of Data Science & Master of Engineering in Material Science
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