留学を決めたら次は受験勉強です。
しかし、仕事や育児もある社会人が受験勉強を開始した場合、合格点に届くまでにどれほどの時間がかかるのでしょうか。
- 留学を決めてから合格通知を得るまでにどれくらい時間がかかったか
- 合格するためにどのように時間を過ごしたか
- 受験勉強を振り返って何が得られたか
目次
留学決意〜合格通知を手にするまで
単刀直入に聞きます。合格するためにどれくらい勉強しましたか?
留学を決意したのが18年1月、合格通知を得られた時期が19年11月になります。
もちろん、人によって上達のスピードは異なると思いますが、留学の決意~合格通知を手にするまでに1年11ヶ月かかりました。
19年5月から勉強時間の管理のために使った「Study Plus」というアプリの記録によると、最後の方は月100時間、1日平均3時間ほど勉強していました。
留学を決意したときの状況
留学を決意したとき、どんな状況だったんですか?英語が得意だったんでしょうか?
18年1月、留学を決意したときの私の英語力と家庭状況は
- 年齢: 30代前半
- TOEIC: 600点前後
- 留学・海外赴任経験:なし
- 英語使用頻度:研究発表や学会参加のときぐらい
- 子供: 0歳7ヶ月
- 妻: 育休中(共働き)
でした。
家庭にも影響することですから、本当に留学していいのか悩み、まず妻に相談しました。
私から見ると、妻は慎重に決断するタイプです。いきなり相談してもすぐに回答は得られないかも、と思っていましたが、意外にも話し合いは5分で終了しました。
妻にも今後の仕事や育児のことで悩みはあったのですが、「やりたいことなら思い切ってやりな!」と背中を押してくれました。この一言のおかげで、留学への決意が固まりました。
やっぱり身近な人の応援は力になります。妻の言葉のおかげで一歩目を踏み出せたと思います。
合格までの道のり
次は合格するために取り組んだことを紹介します。
2018年1-3月: 情報収集
この期間にやったことは
- 志望校の調査
- 試験対策情報の調査
- 入学目標時期の設定
- 英単語の勉強
です。
このとき、英語能力証明としてIELTSかTOEFUL-iBTのスコアを取得しなければいけないことも分かりました。幸い、海外へMBA留学していた大学の友人がいましたので、友人からアドバイスを受けました。
友人のオススメはIELTSでした。理由は、
- TOEFUL-iBTの方が試験に要求される英単語のレベル、難易度が高いから
- TPEFUL-iBTはコンピュータ上の試験であり、スピーキング試験もコンピュータで行われる。対面の方がやりやすい
とのことでした。(コロナ以降、オンラインも当然なので、大した理由にならないかもしれないです)
サイトでも確認してみましたが、自分としても記述・対面式のIELTSが向いているだろうと思い、最終的にIELTSを勉強することに決めました。
余談ですが、現在は、IELTSもコンピュータ受験が可能となっています。(https://jsaf-ieltsjapan.com/ielts/cdielts/)
この時期は、英語の何を勉強すればいいか分かっていませんでした。
気休め程度に、昔、使用していた英単語帳を使って、英文法と英単語を思い返していました。
英語は得意じゃないと自覚してたので、勉強時間と仕事・家庭状況を加味して、留学は20年を目標にしました。
2018年4月-2019年11月: IELTS
この期間にやったことは
- IELTSの勉強
- IELTSの受験
- 留学EXPOへの参加
- 学業成績証明書・卒業証明書の取り寄せ
- カバーレターの準備
です。
志望校のデータサイエンスのマスターコースが求めるIELTSのスコアは、Overall: 6.5以上(Listening:6.0以上, Reading: 6.0以上, Writing: 6.0以上, Speaking: 6.0以上)でした。
長い期間、出口が見えない英語の勉強を続けていると、気持ちが沈む時もありました。
そこで、気持ちを奮い立たせようと留学EXPOに参加もしました。
こちらは私のスコア結果です。スコア達成までに、19年3月から計5回の試験を受けました。
IELTSのスコアはバンドギャップを0.5あげるために、100-300時間の勉強が必要と言われていました。2ヶ月に1回のペースで受験しました。
一番辛かったのは、7月の受験結果です。Overallは目標の6.5を達成しているのですが、全ての科目が6.0以上をマークする必要があり、この試験の結果は提出できませんでした。
実は、スピーキングの試験はレコードされているため、スコアに不満があれば、IELTSに再評価を依頼することも可能です。しかし、残念ながら、再評価申請をしても結果は変わりませんでした。
このとき、20年の2月入学が目標でした。この時期に入学するためには、願書を遅くとも11月末に提出する必要があり、4回目と5回目は2週連続で受験しました。
出願の締め切りが近づいていましたので、最後のふたつはかなりプレッシャーを感じていました。
19年11月末までに願書を出すために、学業成績証明書・卒業証明書・カバーレターは事前に準備していました。IELTSのスコアさえ取得できれば、願書は出せる状態でした。
私が試したIELTSの勉強方法については、他の記事で詳しく書きたいと思います。
IELTSのスコア達成にはとても苦しみました…。自分で決めたことでしたが、途中でツラく感じる時もありました。
2019年11月: 出願-合格通知
この期間にやったことは
- 留学センターを通して願書を提出
です。
IELTSのスコアは試験日から2週間後の金曜日に出ます。11/8に全条件を満たしたIELTSの試験結果が得られましたので、クイーンズランド大学とメルボルン大学の2校に願書を提出しました。
クイーンズランド大学の結果は11/13に出ました。1ヶ月くらいかかると思ってましたから、こんなにはやく結果が出たことは驚きでした。オーストラリアの大学入学試験は、入学基準を満たした人から合格し、枠を満たしたら募集を終了するため、だそうです。
私はIELTSの勉強に非常に苦労しましたが、条件さえ満たせればすぐに入学できました。「海外の大学入学は簡単」と言われる理由を感じた気がしました。
申請から合格通知を得られるまでが、めちゃくちゃ速いですね!!
メルボルン大学に関しては定員の枠がうまってしまい、2月入学の募集は10月で打ち切られていました。したがって、条件ははやく満たし、出願するのがいいと思います。
受験勉強中の生活サイクル
仕事をしながらだと、どんなスケジュールで勉強していたんですか?
紆余曲折を経て、最終的に平日と休日のベースとなる生活サイクルは、以下の2パターンに落ち着きました。
社会人の受験勉強で意識したことは、短い時間でも大切にすることです。私は、はやめに出社することでできた時間や昼休みの食後にできる30分をリーディングの大問一つ、オンライン英会話、リスニングの勉強のために使いました。
実際の試験も、時間内に問題を解かなければいけません。短時間で集中して正答率をあげる、という訓練になりました。10分という短い時間でも、語彙を復習することに使いました。
家事は、妻が留学を応援すると言ってくれたとはいえ、勉強だけに集中することはできません。私が自信を持ってメインでやったと言える家事は、「保育園の送り迎え」と「家の掃除」でした。
幸い、保育園は私の勤務先の近くのところへ入園できましたので、送迎は楽なほうでした。また、保育園に入ると子供の生活リズムも整ってきましたので、21時あたりには寝てくれました。おかげで子供が寝た後は、勉強に集中できました。2歳になると、子供も体力がつき始め、就寝が22時になるときもありましたが、それでも夜の勉強時間は確保できました。
平日の子供の夜ご飯は、準備が楽なようにと、妻が夕食の作り置きで準備してくれていました。なので、家に帰るとすぐに子供にご飯を食べさせることができました。おかげで夕食や入浴の時間がずれることはありませんでした。
週2、3ほどは妻が子供の寝かしつけをしてましたので、気分を変えるために、よく近所のカフェに出かけて勉強していました。家族旅行やレンタカーを借りて終日お出かけしたりする日もありました。
IELTSの勉強を終えてからの反省
私自身の反省としてふたつメモをします。
ツメの甘さ
結果的には予定通り出願できましたが、ギリギリの日程とスコアでした。期間を長めに設けて勉強していればスコアは達成できるだろう、という慢心がどこかにあったのかもしれません。
結果が変わったか分かりませんが、もう少し出願手続きをスムーズに進めるために、Overall6.5を目標にするのではなく、overallが7.0、あるいは7.5を目指すくらい、1、2段階高めに目標設定をした方が自分には良かったかもしれません。
自分に合った方法を見つける
例えば、「半年でoverallを3あげた方法」「2ヶ月でスコアアップする方法」、様々な体験談がありますが、これを鵜呑みにしてはいけないということが体験できました。
ネットに掲載されている方法でスコア達成できる人もいれば、当然、個々で能力・環境が異なるため、方法が合わない人もいます。参考にするだけなら問題ないのですが、同じようにやっていれば自分も同様の結果が得られるはずだ、と思ってはいけません。
過去の自分に言いたいことは、「自分の弱点は自分で理解し、自分に合った勉強方法を作りなさい」ということです。そういった意味では、もっとはやくにIELTSの本試験を受けることで弱みを明らかにし、勉強の仕方をアレンジすべきだった、と思っています。
確かにインターネットって情報がたくさんあって便利ですけど、どれが正しいのか選ぶのは大変ですね。
社会人の受験勉強を振り返って
私にとってIELTSの勉強はとても苦労しました。しかし、英語スキル以外に得られたもの多かったと思います。
ひとつは「タイムマネジメント力」です。勉強時間を確保するためにも、「成果は前年以上、残業はしない」ことを意識して業務に取り組みました。普段の生活より負荷が強めにかかった生活をしていましたので、合格後は以前の仕事量を楽に感じるようにもなりました。
ふたつめは「自信」です。高校生のときの大学受験とは違って、仕事や育児をしながら合格できるか不安な気持ちもありました。他人と比べると、合格通知を得るまでに時間がかかった方でしょうが、「足並みは異なれど、適切な方向への軌道修正を繰り返し、諦めずに継続していれば、必ず乗り越えられる」という経験を久々に得られた気がします。
みっつめが、「家族の大切さ」です。家族の協力なくして、勉強はできませんでした。また、1人だと途中で心が折れていたかもしれません。背中を押してくれた妻の言葉があったからこそ、勉強を継続できたと思います。ときには、自分の成長を感じることができず、落ち込むこともありましたが、子供が何か新しいことができるようになった光景を目にするたび、自分も頑張ろうと再起もさせてくれました。
正直に言うと、「本来、勉強に割いた時間は、家族のためにもっと使えたのでは?」と思うこともあります。私の勉強のために、間違いなく妻にも負担をかけたからです。勉強が辛いときもありましたが、結果的に、社会人の受験勉強という経験を経て、家族への感謝を大切にする気持ちが以前より増しました。
まとめ
合格までにかかった期間と時間をまとめます。
- 管理人が決意〜合格までにかかった期間は1年11ヶ月
- 目安として勉強時間は100時間/月、3時間/日
- 社会人の受験勉強は苦労することもあるだろうが、得られるものも大きい
注意事項として、このお話はあくまで英語が苦手で、基礎ができていなかった1人が独学でIELTSを勉強した経験談です。
英語の基礎がすでにできている方、英語に自信がある方、あるいは、自分にとって効率的な勉強方法を理解している方は、もっと早く目標スコアを達成できると思います。
この記事は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事では「留学を決意してから合格通知を手にするまでの体験談」をまとめました。